いまだ帰還困難区域に指定され、また帰還しても元のコミュニティを失い復興に取り組み始めた地域があります。それらの地区の住民が中心となり、失われつつある故郷の歴史・文化、伝統芸能、還元型の生活などの記録を、住民同志で連絡しあい収集して地域社会の記録を保全しています。
またそれ等の記録を、パネル展やwebにより紹介して、故郷への想いを多くの方に知っていただき、また事実を減災や復興に役立ててほしいと取り組んでいます。
事業をとおして避難者同志、近隣住民や、世代をこえた広域的な交流も生まれています。
2019年度~2021年度の3年間、各年度350万円ずつ の助成を福島県事業としてお預かりしました。
〇2019年度は3回のパネル展と交流会を福島県内で開催。阿武隈山系の飯舘村、浪江町、川俣町、葛尾村の帰還困難区域の記録保全と近隣の方達との交流、帰還した区域の魅力についてのご紹介にも役立ちました(二本松市民交流センタ、福島市民会館、ふくしまコラッセ)。
〇2020年度はコロナ禍にて福島県内で1回のパネル展と協力団体企画の巡回パネル展に参加(大宮、仙台)。
福島AOZでのB1パネル100枚を展示したパネル展は、飯舘村、浪江町、川俣町、葛尾村の避難地区の特徴と現状が判りやすく、多くの方から高いご評価をいただき、参加した住民の心の支えとなっています。
〇2021年度は、失われそうな故郷の記録をより多く保全して新たなパネルも製作し、多くの方からご要望のあった、福島県以外の地区でも巡回パネル展を予定しています。
コロナ禍で更に継承のしにくくなっている伝統芸能も、微力ながらその継承に少しでも役立ち、魅力を多くの方に知って頂ければと、コロナ感染防止対策は万全を期しますが、可能な会場では同時に披露をしたいと検討中です。
取り組みが、いずれは帰還していく地区の復興に繋がる事を希望して誠実に取り組みます。
パネル展などは会場や日時の決定後にご案内します。